気仙沼まちづくり支援センター

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「早稲田大学の皆さん」の現地見学をコーディネートさせていただきました。

 東日本大震災後11年が過ぎ、被災地は回復したと思う方も多いことでしょう。
確かに、地域には真新しい住居や施設が立ち並び、被災直後には想像もつかなかったほどきれいな街並みとなった一方で、“目に見えない”課題も存在しています。
 今回は、区画整理事業が行われた地区を中心に、各地区の被害状況と復旧の過程で行われてきた “まちづくり”の取組みと、一見しただけではわかりにくくなった現在の課題についてお話しさせていただきました。

 被災で移転を余儀なくされた皆さんは、震災前に住んでいた地域と同一の場所で再建できているとは限りません。
 なぜなら、津波で大きな被害を受けた浸水域では、自治体ごとの基準で「災害危険区域」が設定され、その指定を受けた地域では、安全面を考慮して建築制限がかけられ基本的に住居建築が不可となりったことから、震災前まで住んでいた場所に戻ることができなくなったのです。(ただし、「区画整理事業」対象地区では、地盤のかさ上げ等が行われて危険区域から外れたことから、震災前に住んでいた地域内に再建する土地が整備されました。)
 再建方法のひとつである「防災集団移転事業(5世帯以上で安全な場所に移転再建する制度)」では、多くの場合、震災前に同じ地域に住んでいた方々が集まり、以前の生活場所に近い地域の高台に土地を確保して移転しています。新たに建築された災害公営住宅では、場所によって抽選で住居が決定することもあったことから、震災前とは異なる地域で生活する場合が少なからず生じています。
 いずれの場合でも、〈被災→避難所→応急仮設住宅等の仮住居→再建〉と、復旧と共に激変する住環境に順応するために、精神的にも肉体的にも大きな負担を抱えることとなってしまっていること等をお伝えしました。
 このようなお話に、皆さん非常に熱心に耳を傾けてくださり、また、寄せられる鋭い質問やご指摘から気付かされることも多く、今後の私たちの活動について改めて考えさせられる機会となりました。
早稲田大学の皆様、気仙沼に来ていただき有難うございました。

当センターでは、現地案内等のコーディネート事業も行っています。
被災後のまちづくりについて興味がある方は、是非、当センターまでお問い合わせください。